2012年8月7日火曜日

全国で起こっている広域化問題
7月30日、環境ジャーナリストの青木泰氏や北九州市の市民運動にかかわる斎藤弁護士が、宮城県で記者会見を行った。
両氏は、地元仙台市民とともに、宮城県が北九州市や東京都へのがれきの二重カウントをしている件で通知書を提出、その経緯は河北新報で大きく報道された。
ようやく東北の新聞で、鹿島JVと北九州への二重契約問題が書かれるようになったのだ。
 
7月31日には、秋田県と秋田市に通告書を提出し、ここでも記者会見が行われた。
秋田のこども未来ねっと主催で、斉藤弁護士、秋田大学村上東教授、青木泰他市民ら約10名参加した。
がれきの広域化問題では、宮城県との契約関係では、鹿島二重契約の北九州市、そして東京都が問題として残っている。
その他の自治体は、岩手県が改めて問題になっている。
大阪、静岡、秋田、富山などである。
秋田県は岩手県の野田村からがれきを全県で5万6500トン受け入れる予定だったが、野田村のがれきは、当初広域予定量18万トンと発表していたのが、実際は1.8万トンしかなかった(埼玉新聞)という報道もあった。

がれきは、通常は、廃棄物として、処理にお金がかかる厄介物である。
ところが国の交付金で、95%~100%手当てが行われる予算措置が決定した後は、通常の有価物と同様に取り扱われることになる。
処理の権限を持ったところが、処理を何処に委託するかで、利権が発生することになるのである。

つまり厄介物で、処理処分を互いに押し付けあうものから、権限をめぐって取り合いになる「お宝」に変わっていったのだ。
広域処理で、がれきは金のなる木に変わったのである。
 
秋田県ー岩手県(野田村)のケースでも、がれきの量の報告が、「多めに間違って行われていた」という問題だけではすまない。
多めに発表していたのをチェックしたのは、行政ではない。。埼玉県の市民団体だったのである。
もし、市民団体がチェックしなければ、、排出側と受け入れ側で、適当に「大容量」をカウントし、契約を交わし、その分国の交付金を詐取することが行われていた可能性がある。

なぜ10倍もの広域予定量がカウントされてしまっていたのか?
なぜ行政でチェックされていなかったのか?
そこに作為的なものはなかったであろうか?
場合によっては、詐欺罪の未遂事件にすら発展する可能性がある。
何しろ、今やがれきは金のなる木なのである。群がる輩は多い。
 
宮城県と鹿島JVの問題とまったく同じ構図が、今や全国で透けて見えてきている。
 
北九州市の場合、石巻ブロックのがれきの全量が鹿島JVに委託されていたにも関わらず、すでに80トンの試験焼却がなされてしまっている。
この80トン分の輸送費1400万円は、鹿島JVから北九州市へ支払われている。
本来、宮城県~北九州市(官・官)の契約なのに、宮城県~鹿島JV~北九州(官・民・官)という、あり得ない流れなのである。
すでに運ばれ、焼却もされてしまっている80トンについては、もう未遂ではない。
刑事告訴も可能なのである。